公開 更新
さつき盆栽の育て方|毎年花を咲かせる剪定のタイミング
さつき(皐月)は、旧暦の皐月にあたる5月から6月に花を咲かせる、日本固有のツツジ科の樹種です。江戸時代から品種改良が重ねられ、花色や花形の異なる品種が数多く生み出されてきました。松柏類とは管理の考え方が異なる「花物盆栽」の代表格です。
さつき盆栽の魅力
さつきは幹が太りやすく、年月をかけるほど古木らしい風格を帯びていきます。つまり、花の華やかさと、樹としての趣を一鉢で同時に楽しめるということです。また、一本の樹に色や模様の異なる花が混ざって咲く「咲き分け」という性質を持つ品種もあり、毎年少しずつ違った表情を見せてくれます。当店のさつき「真山」(株立ち・広がり樹形)のように、根元から何本もの幹が立ち上がる株立ちに仕立てたものもあります。

毎年花を咲かせる最大のコツは「花後すぐの剪定」
さつきの管理でもっとも重要なのが、剪定の時期です。さつきは花が終わったあと、夏のあいだに翌年の花芽をつくります。そのため、花が終わった直後から6月中(地域によっては7月初旬まで)に剪定を終えることが原則です。剪定では、伸びた枝を葉の付いているところのすぐ上で切り戻します。

この時期を過ぎて枝を切ると、せっかく準備された翌年の花芽ごと落としてしまい、「今年は咲かなかった」という結果につながります。「秋になってから樹形を整えよう」は、さつきでは避けたい判断です。
花がら摘みも忘れずに
咲き終わった花は、早めに摘み取ります。そのままにしておくと種をつくることに樹の体力が使われ、翌年の花つきに影響します。指で軽くひねるようにして、花の付け根から取り除きましょう。

用土は酸性を好む——鹿沼土が定番
さつきは酸性の土壌を好むため、植え替えには鹿沼土が広く使われます。水はけと保水性のバランスが良く、さつきの根に合った用土です。植え替えは花後から梅雨の時期にかけて行うのが一般的です。植え替えの基本的な手順は植え替えと鉢選びをご覧ください。

水やりと肥料
さつきは松柏類に比べて乾燥に弱く、とくに開花期は水を欲しがります。土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えてください。肥料は、花が終わった後の「お礼肥」と秋を中心に与え、真夏は休みます。詳しくは盆栽の肥料の選び方と与え方をご覧ください。
年間管理の目安
- 5〜6月:開花。花がら摘みを行います。
- 花後〜6月中:剪定と植え替えの適期。ここが一年でもっとも重要な時期です。
- 7〜8月:花芽をつくる時期。枝を切らず、水切れに注意します。
- 9〜10月:秋肥を与えます。
- 11〜2月:休眠期。強い霜と乾燥を避けて管理します。
さつきの一年は「花が終わった瞬間」から始まります。剪定と植え替えをこの時期に済ませておけば、あとは水やりを守るだけで翌年の花が待てます。
まとめ
さつきは、花後すぐの剪定という一点を守るだけで、毎年しっかりと花を楽しめる樹種です。松柏類との管理の違いを知りたい方は黒松盆栽の育て方とも比べてみてください。香川盆栽では品種名のわかるさつきもご紹介していますので、盆栽の商品一覧からご覧ください。
よくある質問
秋に伸びた枝が気になります。切ってもよいですか?
秋の枝先には翌年の花芽ができているので、切るとその分だけ花が減ります。形を整えるのは花が終わってからにして、秋は枯れ枝を取る程度にとどめてください。どうしても気になる枝だけを切る場合も、花が減ることは承知のうえで行います。
今年は花が咲きませんでした。何がいけなかったのでしょうか?
多いのは、剪定の時期が遅れて花芽ごと切ってしまったこと、花がらを残して種に体力を使わせたこと、花芽をつくる夏に水切れさせたことです。来年は花後すぐ剪定を終え、夏の水やりを守ってみてください。
植え替えは鹿沼土だけでもよいですか?
鹿沼土だけで植えるのは、さつきではよく行われる方法です。水はけと水もちのバランスが良く、酸性を好むさつきの根に合っています。粒は年月とともに崩れて水はけが落ちてくるので、2〜3年に一度を目安に植え替えてください。